「カントリー天国」(カン天)

「カン天」カントリー天国
バンジョーが歌えるライブでも有名になった。
当初歌われる人が少ないと想像していたのが、居るわ居るわこんなに歌われる人が多いとは。よし、歌う人のお祭りだ。

さっそく場所探しに奔走した。結果、半蔵門のFM東京ホールに決めた。
あまりの出演希望者が多く、1984年第1回「カン天」アマチュアコンテストが開催される運びとなった。

このイベントで寺田尚武との出会いがあった。
第2回は芝のABC会館ホール。私とは正反対の几帳面な寺田さんに司会をお願いした。
また出会いがあった。除々にカントリー界の顔も見えてきたし顔にもなったきた。

ある夜、銀座ガスホールの支配人が訪ねてこられた。ガスホールは50年の歴史もあり、昔はカントリーのコンサートにもよく使われたようだ。
実は銀座の発信基地でC&Wを広めたいとのことで、その為にはガスホールを有意義に利用できないだろうかだ。年にして団塊世代に見える。ちょうど「カン天」の第3回をどこでやるか探していたところであった。願ってもないお話だ。この支配人とは良いイベントができそうだ。

第3回目はガスホールに決定。4階のエレベータのドアが開くとそこはカウボーイや牛舎が出迎えてくれそうな西部である。出演者の歌声も聞こえる。
楽屋もまわってみた。化粧する人、ロッカーで詩を確認しながら歌っている人、私が側を通っても気づかないらしい。
広い楽屋が2部屋もある。ステージのモニターテレビもあった。学芸会の雰囲気もあり、楽屋は心暖まる熱気ムンムンである。羨ましいな。

証明、音響のスタッフはガスホールでのプロである。
私の言うこともよく聞いてくれたし、みんな楽しんでやってくれた。来年はもっといいものを。そしたら出演者に大工屋さんがいて、ステージを造ってくれそうだ。
さっそく私が描いていたウィディな本場のステージをイメージして「こんな感じでやってくれる」と宮本昭さんに軽く言ってみた。費用的に舞台にセットするタイムリミットの問題がでてきた。まあ、来年のこと。1年が過ぎ、問題未解決のまま何とかしてくれる。さすがB型。

AM9時にホールに入った。しまったこれは遅れたか?コンコン、コンコンと舞台から聞こえてくる。あの黒岩さんがいた。前日に私が早く来て手伝うように言ったらしい。舞台に向かった。私のイメージしていた舞台はほとんど完成していた。
何も言わない宮本さんが「やっといたよ」の一言。後はちょっとした手直しだけですんだ。助かった。宮本社長と社員2人と黒岩さんに感謝。
おそらくインテリア多摩だから最低でも早朝4時には出なければ間に合わない。このあと宮本さんもご夫妻で出演される。

宮本さんもみんな疲れた顔も見せず良い笑顔だ。リハーサルも終え、本番。さすが宮本さんも黒岩さんも疲れた顔をしてた。

支配人も惜しみなく何でも手伝ってくれた。こんな調子で10までガスホールでやらせていただいた。ガスホールもビル自体が老朽化したため建て替えのようだ。
いつホールができるか未定らしい。したがって、11回目はまた会場を探さなければならない。俺もここで歌いたいなぁ。

ガスホールでは7年間もやらせていただいた。歴史ある銀座ガスホールで壊される最後までできたことは、私の人生に深く刻まれた。支配人はじめ関係した全ての方々に感謝したい。やはり銀座は離れたくない。

新橋ヤクルトホールがとれた。このホールはよく借りていたので勝手がわかっている。8年前になろうか、俳優の寺田農さんもコンテストにトライいたことを機に毎回快くお手伝いくださる。
ある時はチャレンジャー、審査員と6回目だろうか第3位に輝きトロフィを送ったことがある。人生でトロフィをいただいたのは初めてとのこと謙遜気味だが大喜びだ。

19年前初めてバンジョーにご来店になりました。せっかく遊びに来ているのに有名人扱いはしなかった。「寺田さん歌ってみる?」もう腰は浮いていた。
ハンクウイリアムスの曲だ。けっして上手いとは言えないが、同じ曲ばかり何度も歌っているのか1曲1曲が寺田さんのハートとなって聞こえる。ハンクの曲はやさしく単調ゆえに難しいと言われる。寺田さんも考えたな。歌われる方、お一人おひとりが青春の夢を感じとれる。だから聞いていて飽きが来ない。もう麻痺しちまったのか、お客様の歌われる歌しか満足しなくなっていた。

「楽しいやね」お客様でカン天の大ファンがいる。何が楽しいのか聞いてみた。
プロはプロらしく、アマチュアはアマチュアらしく歌えば良い、みんな精一杯楽しく歌っている。

優勝者の1人、この人は3年前に初めて聞いた時、確かバラード系の歌だったろうか、いくら歌いたいと言われても音程はフラットするわ、リズムは早いわ、そもそも選曲間違っているんじゃないのか?やる気を無くさせる歌い方だった。そんな人が優勝した。審査員の大事な1票、私のこの人に対する評価だった。自分を疑ったが、人は変わるのか。
一般的に考え「先天的にあんな下手な人がいくら練習しても無理だな」と思っていましたが大きな間違いだ。上手いなぁ。彼はすぐ家族に嬉しい報告をしていた。

プロの北農英則に言ったことがある。「CDでもだしたらどうだね」彼は何気なく「コピーだったら本人のCDを聞いた方がいい」と納得した。改めて私は北農ファンになった。謙虚だ。