連載

壁紙事件(連載ー3)

私も幼いころから大工が好きで屋根にペンキを塗ったり、レンガで門を作ったり日曜大工の経験も技術もあると思っている。

 一日目、5時間かけてこれだけと妻は文句が言いたげだが、妻に話した。私はこ の家なんてどうでもいい、この子供に一つの自信というものが育てばいいだろうってね、かっこよくいったものの。

 二日目、壁が布でできてて、ペンキを吸ってしまうからペンキののりがわるいしペンキの量もかかる。今夜、妻にお願いして、軽く下地のつもりで一度塗りをしておいた。

 三日目、子供が来るなりここからやるからねと昨夜下地の塗った壁の別を場所の壁を始めようとした。妻に先手を撃たれた。喧嘩はやめなさいよ!

じっくり子供と話したら、昨夜一度塗りした壁からはじめてくれた。

私は暖かいところでお茶でも飲んでいた。夜遅くまでやっていた。なかなか!

明日は、用事があるから来れないという。

 今、壁紙を調べているから任せろというので、口出しはしない。

この壁紙事件で責任をもってくれればいいが最後まで私が口出しないでいられるか試されそうだ。

 

人を怒らせる方法って考えればきりがない。反対に笑わせる方法って難しい。

「あなたの奥さんとてもぶさいくだよね。ほんとぶさいくだよね。

 信じられないくらいぶさいくだよね」

「私イケメンがいいわ、それにひきかえあなたメンくらうほどイケてないのね」

これだけ言われて怒らない人はいないだろう。こんなこと面と向かって言う人がいなかったから笑ってしまった。怒りは笑いに変えられる。短い人生、人になんて言われようが笑いの人生を選びたい。

 壁紙は子供にお願いするとして、ひとつひとつのことが子供への遺言のようだ。私には、まだ屋根のペンキも残っている。

 

 

 

 

損得勘定
損得勘定(連載ー2)

「損得勘定」は車の両車輪のようにバランスをとっていないと真っすぐには進めない。

簿記って知ってる。聞いたことあるけど、それじゃ話してみるか? 

損得勘定=損益勘定  金=現金勘定 と思ってね。

現金勘定があるとする。この現金が増えれば、必ず相手勘定が増加する。例えば売り上げが増えれば、現金も増える。現金が減れば費用が増える

まさしく、損得勘定は、得したと思ったら、何かが損をしている。まして利益がいつも出るとは限らない。

会社の経理課に勤めていたころ、出納の窓口にいたころ、この損得が貸借(左右)合わないと帰してはくれない。

最近、はやっている「あおり運転」を見てみると。

アオリ運転していると気持ちがすっきり得した気分、だけどアオリ運転された人は恐怖が増す。車上カメラで撮られて、罰金やらで出費が増える。人間の世界も損得勘定で成り立っている。

最近は、テレビでも映し出されるが、まさか、こんな方がと警察に護送されていくのをみる。私の幼い頃はラッパズボンをはいてボタンを外してそれらしき恰好でよたっていた。大体、偏見だけど悪い奴のタイプが読めたが、今は世間でいう普通の方が悪びれもなく犯罪を犯している。だから、防犯カメラもいたるところに設置されているのだろう。車上カメラの売れゆきもよくなり世間は得をする。世間は世知辛くなって損をする。

「この何かが損をしている」のが気づかない。

今、若い私の子供に教わっている。家も築30年もなり、壁紙を張り替えることになり、子供がはりかえてくれるようだ。今はやりのスマホで調べているようだ。

 

通じない(連載ー1)

道を挟んで言葉が通じない。と聞いていたが、時を挟んで言葉が通じないのかも知れない。

 山奥から都会に出てきて来て、どうすりゃいいのか西も東もわからず、周りはみんな頭が良さそうだ。忘れはしない、日比谷のある図書館に勉強というなのことをしんにいった。こう言いながら、方言を使うわいがいた。

 2階の自主室にのぼったら、誰かの葬式でも来たように静まりかえっている。なんだこれは、厚い本を左手で添え、眼鏡をかけた大男が隣席で黙々と本を読んでいる。私も負けじとふろしきから厚い本を出して読むふりをした。

 数分して腹が減った、確か地階に食堂があったのでうどんを食べた。食べたら眠くなったのでしょんべん臭いアパートに帰ることにした。

 これがワイが知った、初日の都会人の印象だった。みんな賢そうに見えるんだもの。新宿に行ったら、今日は祭りなのか大勢の人が神輿でも見ようとするのか人混みを足早に歩いていた。

 私もこの先を急いだ。暫く、歩いても神輿などない。これが都会と知った、まったく山猿ってことだ。

 ヘルメットを持たされ、手を組まされ、歩道橋から写真を撮られ、道路を早足であるいていた。これがデモというものらしい。

 税理士で一旗あげて、たっぷり金を稼いで田舎に錦をと思って都会に出てきた。がそんなに甘いもんやあれへん。

 生きる道などというものは、コロコロ変わっていったわ。スーパーマーケットで月光仮面の切られ役をやったり、切られて寝ていると子供たちが棒で叩きにくる。運送会社で引っ越しのバイト、喫茶店でわからぬケーキのオーダーをされ面食らったこと、夕食もでたので助かった。

 悪いことはするなよと、おふくろ、おばあちゃんの顔が浮かんだ。

結局、サラリーマンも経験させていただいた、経理課だった。

 姉が銀座に店をだすので手伝っていたら、どっぷり入ってしまった。銀座は、コーヒーとアダモの歌が流れ、異国の雰囲気だ。

銀座は日本のど真ん中、人間も真摯で知識人だ。そんな中いつの間にか時が過ぎた。知ったかぶりから始まった銀座の街。それはそれは一言でははなせない。

 若いときは老いることも病むことも忘れ、老いて突然、死を知る。

私に子供3人授かった。妻にいわせりゃ私が4人目の子供らしい。それは認める。

 車からディズニーの音楽が流れた。これは、マイウェイの曲だ。口ずさんでいると子供がお父さんこの歌知ってるのとまじに尋ねられた。子供の車で聞いた。子供は長男の39歳だ。子供にかかわらずこんなことが度々ある。若い人たちと話していると私が当たり前のことが知っていると思って話していると話が進まない。最近は、この方知っていると尋ねて話をすることにしている。そうでないと、時代が違うのか通じない。

 よくご年配の口から、若い子の愚痴を聞かされるが、若い子を理解したと思うとまた、違う。違うと思ったらまた違う。違うと思ったらまた戻される。何だかわからなくなった。辛抱辛抱、諦めたら負けよ。だって、スマホもあり便利な知識の先生がいつも傍にいるんだもの若い人も、私よりはるかに知識人のようだもの。

時が挟んで言葉が通じないのであって、若い子が私を理解してないのと私が若い子を理解してないのと絡まれば言葉が通じないのは当たり前。

若い子は、自分の考えを主張しないのは、大人もそうであるように、忖度するのだろう。主張すると実績もなく、偉そうに皆から,「なにさま」と言われたり、抹殺されるのだろう。目立たない目立たない、「別に」と言っとけば安心だ。

 

「忖度」ソンタク

 他人の心情を推し量ること、また、推し量って相手に配慮することであるが、特に、立身出世や自己保身等の心理から、上司等、立場が上の人間の心情を汲み取り、ここに本人が自己の行為に「公正さ」を欠いていることを自覚して行動すること、の意味で使用される 。「忖」「度」いずれの文字も「はかる」の意味を含む

次回も連載をお楽しみに!